東京オリンピック、パラリンピックが来年開催されます。
突然ですがみなさん、パラリンピックはいつから開催されていたのかご存知ですか?
身近で開催されるのなら、今こそ知っておきたいですね。
・パラリンピックの始まりは医師の提案から
パラリンピックとは、身体障害者(肢体不自由、脳性麻痺、視覚・知的障害)を対象とした競技大会。
世界最高峰の障害者スポーツ大会として、オリンピックと同じ年に同じ場所で開催されます。
1948年7月28日にイギリスで行われたストーク・マンデビル競技大会。
場所はストーク・マンデビル病院。ここで行われた大会が、パラリンピックの起源となっています。
当時、ストーク・マンデビル病院には第二次世界大戦で脊髄を損傷した軍人のリハビリ専門科がありました。
ドイツからイギリスへ亡命したユダヤ系医師ルートヴィッヒ・グットマンの提唱によって、戦争で負傷した兵士たちには「手術よりスポーツを」とリハビリテーションを目的として開催されたのです。
この大会では、車椅子使用の入院患者男子14人、女子2人によるアーチェリー競技会が行われたといいます。
その後、毎年開催され続け、1952年に「第1回ストーク・マンデビル競技大会」という国際大会となりました。第1回はイギリスとオランダのみの参加でしたが、1960年にはグットマンを会長とした国際ストーク・マンデビル大会委員会が設立されました。
同じ年にオリンピックがローマで開催。そこで開催された第9回国際ストーク・マンデビル競技大会は第1回目のパラリンピックと呼ばれています。
・1988年までのパラリンピックが歩んだ歴史
第1回のパラリンピックには23カ国400名が参加しました。日本はこの大会に参加はしていません。
ですが、第2回パラリンピックは1964年に日本で開催された夏季東京オリンピックと同じ年に同じ場所で開催されています。
2部構成で行われた、第2回パラリンピック。第1部はストーク・マンデビル競技大会、第2部は全ての身体障害者を対象とした、日本人選手のみが参加した国内大会として行われたのです。
1964年に日本で行われたオリンピック・パラリンピック以降は、別々の国で行われていました。
1988年のソウル大会から国際オリンピック委員会が初めてパラリンピックに関わる大会となり、正式名称が「パラリンピック」となったのです。
この大会から夏季オリンピック・パラリンピックは同一地の開催になりました。
ちなみに、冬季パラリンピックの第1回大会が開催されたのは、1976年エーンシェルドスピーク。
1992年のアルベールビル大会から、冬季オリンピックとパラリンピックが同一地で行われるようになりました。
・1989年から新たなパラリンピックがスタート
1988年ソウル大会の翌年、1989年にドイツのデュッセルドルフでパラリンピックを運営するための組織「国際パラリンピック委員会」(IPC)が創立されました。
2000年に開催されたシドニーパラリンピック大会で、国際オリンピック委員会(IOC)とIPCが「オリンピック開催国はオリンピック終了後にパラリンピックを開催する」という基本事項に合意。
2001年には、スイスでIOCとIPCの両会長がさらなる協力関係に合意し、パラリンピックは「もうひとつのオリンピック」といわれる大会になりました。
今現在もまだパラリンピックは発展し続けています。
そもそも、パラリンピックは車椅子利用者のためのリハビリテーション目的で始まったスポーツ大会です。
障害者のスポーツ大会は他にもあり、知的障害者はスペシャルオリンピックス、聴覚障害者はデフリンピックといいます。
どちらも国際競技大会で、夏季・冬季に開催されます。
パラリンピックを知っていくうえで、こちらも注目したい大会です。
・来年のパラリンピックへの課題とは?
パラリンピックの歴史をみて、興味を持たれた方がいらっしゃると思います。
知ると面白いこと、興味深いことがまだまだありますよね。
さて、来年にせまった東京パラリンピックを楽しみにしている方が多い一方、気がかりなことがあります。
それは「困っている障害を持った方への手助けがしにくい」ということ。
どういうことなのか…今現在、街で困っている障害者または高齢者に声をかけることができない人たちがたくさんいるのです。
声をかけることができるのは家族に障害者や介護中の高齢者がいる方たち。
なぜ声をかけないのか? それはどうしたらいいのかわからないからとのこと。
心の壁ができてしまっている。これは大きな課題となります。
障害者との向き合い方を学ぶ研修など取り入れている企業、特別支援学校・盲学校の生徒たちとスポーツ交流をしている小中学校も少しずつ増えてはいます。
ただ、あまり回数は多くないので、交流を増やしたいところですね。
子供たちにはこういった経験をさせていくことが大事。
早いうちに心の壁を壊すことが必要なのです。
パラリンピックの歴史、いかがでしたか?
知らなかったことがたくさんありますよね。最初は2つの国からスタートして、今では多くの国で真剣にメダルを狙って頑張っている選手がたくさんいます。
来年開催される東京パラリンピックを成功させるためにも、心の壁を壊してみんなで楽しむことができたら最高ですね!!